六ヶ所村再処理工場本格稼動への反対声明 | |
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生活協同組合あいコープみやぎは、食の自給と安全・自然環境保全・地域福祉の推進を理念とし、活動しています。「被害者にも加害者にもならない暮らし」をスローガンとし、組合員自らが暮らしや社会の在り方を見直し、よりよい社会環境の実現を目標としてきました。地場生産地場消費、石けん運動、介護事業など、様々な活動を通じ、あいコープの理念への組合員の理解を深めてきました。中でも地場生産地場消費を核とする食の自給と安全の取り組みは、組合員にとってもっとも身近であり関心が高いものです。
日本の食糧自給率は僅か40%、先進国中最低の数字であり、家畜の輸入飼料まで含めればこの数字はもっと下がります。安全であれば輸入品でも構わないという立場を、あいコープは取りません。65億を超える人口を抱えた世界、10億もの人々が飢餓に苦しむ中、豊かな農業資源に恵まれた日本が、金に飽かせ大量に食糧を輸入し浪費し続けることなど、到底許されないことです。 漁業国であった日本ですが、沿岸を埋め立て豊かな漁場をつぶし、また工業排水や養殖などによる海洋汚染が進み続けた結果、海産物の大量輸入国となり、世界的な漁業資源の枯渇もあって、その輸入すらも脅かされる状況になっています。加えてこの秋、青森県六ヶ所村の使用済核燃料再処理工場の本格稼動が予定されています。原子力発電所から出たウラン燃料の燃えカス=いわゆる「死の灰」から、ウラン燃料とプルトニウムを取り出すのが再処理ですが、いうまでもなくプルトニウムは核兵器の原料であり、万一工場で大事故があれば原爆投下と同等の被害が予想され、何万何十万もの人々が死ぬことになります。さらに再処理工場は普通に稼動するだけで、毎日、原子力発電所一年分もの大量の放射性廃液を排出し、海を汚染します。これまでの海洋汚染に加え、六ヶ所村の再処理工場の排水による放射能汚染が重なれば、日本の漁業とりわけ三陸の漁業は壊滅的打撃を受けかねません。 国では放射能は海水で希釈されるので問題ないなどと、とんでもないことを言っていまが、放射能は希釈されてもなくなりません。まして毎日高濃度の放射能が放出され続けるのですから、大変な状況になります。その上汚染された海で生物は放射能を体内に取り込み、それが濃縮され魚介類を通じて、結局私たちの口に入ることになります。 豊かな三陸の海を放射能汚染で死の海にしてはなりません。三陸・東北の自然環境を守り、食の自給と安全を守るために、あいコープみやぎ理事会は六ヶ所村再処理工場の本格稼動に断固反対し抗議することを表明します。 2007年5月25日 生活協同組合あいコープみやぎ第22期理事会
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