活動報告ブログ いきいき!産地つうしん | あいコープみやぎ

10/27 ひっぽへ行ってみよう!第1回発電産地交流会

記念すべきあいコープの主催する第一回発電産地交流会。
秋深まる丸森町は筆甫地区へ、あいコープのパルシステムでんき加入者20名と訪れました。
バスに乗る一行が集合した仙台駅ではあいにくの冷たい雨。それでも「楽しみにしてきました!」と受付を済ます参加者にスタッフも励まされます。
バスは1時間半かけて宮城県の最南端、筆甫地区へ到着しました。桃源郷とも言われる里山。途中の険しい峠では徐々に色づき始めた木々が綺麗でした。

最初の見学地「ひっぽ電力復興一号発電所」に到着すると、社長の目黒さんと事務局長の金上さんが待っていてくださいました。さっそく太陽光パネルが並ぶ発電所内に入り、小雨の中説明を聞きます。

復興一号前で記念撮影
復興一号前で記念撮影

7年前の原発事故の影響を受け疲弊した筆甫地区を振興しようと立ち上げた「ひっぽ電力」の物語に、参加者は聞き入りました。参加者がパネルの裏に応援メッセージを書きこむころには雨は上がり、徐々に太陽も顔を出しました。まるで応援に応えて発電を開始したかのよう…。

参加者がパネルの裏にメッセージを
パネルの裏にメッセージ

次の見学地は、過疎化する筆甫地区の空き家を有効活用した再エネ利用モデルのリノベーションハウス「わだハウス」です。
わだハウスは外部と電線が繋がっておらず、太陽光パネルと蓄電池のみで生活体験ができるモデルハウスです。家に入ると薪ストーブの炎が揺れ、ほっとする空間ができていました。

薪ストーブ暖かな部屋
薪ストーブ暖かな部屋

パネルや蓄電池はあっても最低限の容量で、できるだけ電気に頼らないシステムになっています。薪ストーブやロケットストーブを利用して調理もできるようになっています。参加者はそれぞれに興味のある場所をじっくりと見学し、目黒さんと金上さんに質問もしました。

「では、この薪ストーブを燃やすための薪を作りましょう!」ということで、庭に出て薪割り体験です。
お手本を見せて頂いた後、何人かが挑戦しましたが、なかなかうまくいかず笑いも起こります。うまく割れると歓声と拍手が響きました。

エネルギーを作るぞ
エネルギーを作るぞ

力に自信のない女性や子供は、キンドリングクラッカーという器具を使って、焚き付け(細く小さい初期段階で燃やす薪)を作ります。器具に薪をセットし金づちで上からたたくと面白いように割れて細い薪が出来ます。子供たちも夢中でコンコンと頑張りました!

子どもでもできる焚き付けづくり
子どもでもできる焚き付けづくり

最後の見学地は、数か所あるひっぽ電力発電施設のうちの一つ「平松発電所」です。ここは、道路の両側に太陽光パネルと原発事故で発生した除染土の仮置き場が向かい合わせに存在する、筆甫の象徴的な場所です。
県内でも放射能汚染がひどく、一般家庭の庭の土などをはぐ除染作業をした筆甫地区の除染土が埋められ、管理されています。そのすぐそばに、筆甫の未来のために作られた発電所。そして目の前に広がる美しい大自然。
参加者は原発事故への怒りも新たに、複雑な思いで筆甫の大パノラマを見下ろしました。

見学を終え、ひっぽまちづくりセンターにて餅つき&昼食交流会をしました。
でんき生産者であるひっぽ電力の皆さんと、でんき利用者である組合員が同じテーブルに着き、あいコープ自慢の食材で作ったお餅と芋煮を食べ語り合う記念すべき日となりました。

餅つき
餅つき

芋煮で交流会
芋煮で交流会

帰り道には、今年あいコープも支援して完成した筆甫唯一のお店「ふでいち」で筆甫の名産品などをお土産に買い求め、笑顔で見送る筆甫の皆さんに手を振りました。

一日で様々な場所をめぐり盛りだくさんの発電産地交流会でした。
アンケートでは「写真だけで見るのと行ってみるのではやっぱり違う」「体感出来た」「行って良かった」という声が寄せられ、スタッフも胸をなでおろしました。

ご参加くださった皆様、色々な体験をご準備くださった筆甫の皆様、本当にありがとうございました。第2回の発電産地交流会も是非企画したいと思います!

(担当理事)