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みなまたと生協
2023年2月3回

みなまたと生協

みなまたと生協

日本の四大公害病として知られる「水俣病」。
工業排水により汚染された海の魚を食べ、病に侵された人々は命と健康を奪われただけでなく、長期間に渡り差別や偏見にも苦しみました。

そんな水俣病患者たちの立場や暮らしを守ろうと全国から支援者が集い、患者たちと甘夏栽培をはじめます。

社会のタブーに立ち向かい、命と環境を重んじ行動する。きばるの甘夏は生協の原点のひとつでもあり、歴史ある産直品のひとつです。

被害者にも加害者にもならない

きばるが掲げるスローガンは、甘夏栽培を始めた水俣病患者たちが気づいた矛盾から生まれました。

栽培当初、慣行栽培にならって農薬を散布していましたが「化学物質が原因で水俣病に苦しんでいる。そんな自分たちが、農薬散布でさらに体調を崩し、化学肥料で環境を汚していいのか。」という声があがります。
そこから生産者たちは農薬使用を最低限に抑え、化学肥料に頼らない栽培に転換しました。

「被害者にも加害者にもならない」ために暮らしを見直し、行動する。これは、石けん運動から始まった私たち、あいコープの理念と同じ。

「甘夏の共同購入、生産者の取り組みを理解してくれる組合員の存在は、水俣病患者の生活の軸となり、今なお、水俣病と戦う大きな力となっています」と生産者の高橋さんは語ります。

きばるの甘夏は水俣病をきっかけにつながった水俣の人々と生協が共に育んできたシンボルです。

生産者の高橋昇さん(左) あいコープ職員 青果担当 千葉ゆか(右)

生産者の高橋昇さん(左) あいコープ職員 青果担当 千葉ゆか(右)

生産者 高橋 昇さん

48年前に支援者として東京から水俣に移住。水俣病患者の救済に取り組む傍ら、水俣病とたたかう患者たちが作る甘夏をあいコープをはじめ全国の支援者や団体に届けています。

経済優先の社会にNOを

水俣病の加害企業チッソ株式会社(以下チッソ)は戦前から化学工業のパイオニアとして世界に知られ、水俣病の原因となったメチル水銀は、戦後の高度経済成長を支えた白物家電をはじめとするプラスチック製品の原料の製造過程で発生しました。

便利で豊かなわたしたちの暮らしが、水俣の人々の犠牲の上に成り立ってきたと言っても過言ではありません。
現在も液晶パネルや、食品添加物の原料、紙オムツなどの繊維品等、チッソ製品は生活の中に広く浸透しています※。

原発事故に見られるように、経済優先の社会が悲劇を引き起こす構造は、今も繰り返されています。
環境問題、戦争、貧困、身の回りで起きている問題から目を背けず歴史に学び、考え、行動するときではないでしょうか。

きばるの甘夏が生まれた背景を知ることは、私たちが歩むべき道しるべとなるはずです。

※現在はチッソが分社化したJNC株式会社が製造。

きばるのトライ・甘夏3個

きばるのトライ・甘夏3個

箱・きばるのトライ・甘夏10kg

箱・きばるのトライ・甘夏10kg