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「高橋徳治商店」を訪問してきました


震災後6年が過ぎようとしていた2月、何気なくTVを見ると、無添加練り物でおなじみ、マルトの高橋徳治商店さんが映っていました。3月が近づくと、何だか落ち着かない気持ちになるような、そんな時期のことです。
放映の内容は震災で自宅、工場を流された後に、たくさんの苦悩を抱えながらも新しい土地での工場再建を決断し、どうせやるなら、と、より深い事業展開を目指す高橋徳治商店を紹介する内容でした。

テレビで高橋徳治商店を紹介

「マルトさん、今シーズンもおいしくおでんをいただきましたよ、いつもごちそうさまです…」

高橋徳治商店のおでんは、震災後、はじめて供給できるようになった秋に、「秋のフォーラム」で商品学習のためにとりあげた食材でした。このおでんを通じて、「作り手には『生産者は全力で作るから、受け取った人はこんなふうに食べてほしい』という強烈なメッセージがあるんだ」ということを、はじめてはっきりと理解させられた、思い出深い商品です。
そんなことがあり「おでんを極めたい!」と何度も作るうちに、我が家の末娘の一番の好物はおでんに。誕生日のごちそうリクエストも「おでん!」というくらい、大好きな1品になりました。
一方で、苦しくても、苦しくても、事業主として駆け続けなければならなかった高橋社長の言葉は、深く、重いのです。はっきりとした軸を持てずに暮らしている間は、気軽には交流できないような、近づきがたさも感じていました。

それなのに、6年がたって、無性に高橋社長の言葉を伺いたくなっていました。この間、いろいろ、いろいろ考えて、何となく自分なりに見えてきたものがあったのかもしれません。TVをみながら、高橋社長にまたお会いしたいなぁ、と心から思ったのです。

そして、高橋徳治商店を訪問しました。

工場の敷地には、まんま通信でも見慣れた、レンズ風車と、モニュメントがあります。近づくと、とても想いのこめられたモニュメントであることがわかります。こういうことを、大切にして、事業を、またこの地でやっていくんだ、という決意が伝わってきます。

レンズ風車
モニュメント
言葉

工場内を案内していただきました。
ちょうど「おとうふあげ」の製造中でした。駐車場に漂っていた甘い香りと香ばしい米油の香りの正体はこれだったようです。

工場内は原材料の入荷から出荷まで、一方通行のラインになるように諸設備が配置されています。
まずは原料となるすり身などを保管する冷凍庫。

国産にこだわり、北海道などの国内産地から入荷した魚肉のすり身が天井近くまで積み上げられています。
魚肉のすり身

こちらは「前浜」で捕れた魚。買い付けたらとろ箱ごと冷凍しておき、製造前に解凍、骨の除去などの下処理をして、自社ですり身にしています。
「前浜」で捕れた魚

こちらは蒸し器。
蒸し器
左がさつま揚げや野菜揚げなどの材料となる野菜の蒸し器。
右は石巻市魚町の工場から持ってきた魚の蒸し器。年代物ですが現役です!

この大きな釜で、練り物の原料を調合して、冷却しながら練り上げます。
釜

「おとうふあげ」のライン。
「おとうふあげ」のライン

ラインの最上流の漏斗型の原料入れから、規定量のタネが、1つ1つ絞り出されていきます。
絞り出される

生のタネがフライヤーまで、お行儀よく流れていきます。
お行儀よく流れていきます

■【動画】揚げたて。フライヤーから出てきました


揚げたてのおいしさを届けるために、ほかほかの「おとうふあげ」はそのまま冷凍ラインに入り、瞬間凍結します。向うの壁まで、ぜんぶ冷凍ラインです。
冷凍ライン

壁の裏側に出てきた冷凍済みの「おとうふあげ」。まずはダンボールに入れられ冷凍庫で一時保管。その後包装、印字して出荷を待ちます。
段ボールへ

出荷前には自社の製品管理室で最終検査を行います。組合員の皆さんのお口に入るものに責任をもつためにも、出荷ロットと同じ製品を社内で保管しているそうです。

こちらは、社屋玄関にある太陽光発電状況のモニター。
太陽光発電状況

工場には太陽光パネルと蓄電池も設置。災害などで停電になった際にも、自家発電機と併用して自然エネルギーを活用して電気を調達できるように備えています。
災害への備え、という点では、敷地内に井戸を掘り、断水にも対応。食料なども備蓄し、東松島市とは災害協定を結んで、非常時には近隣住民の避難場所として機能できるようにしているそうです。これも高橋徳治商店の「地域への恩返し」なのだな、と感じました。

また、工場内には大型ランドリーも設置。従業員が製造時に着る制服も石けんで洗いたい。そこで、着用した制服は持ち帰らずに、全て、このランドリーで石けん洗濯しているそうです。

見学の後は、暮らしのこと、事業のこと、生協のこと、これから社会で挑戦したいこと…話題は多岐にわたり、笑ったり涙ぐんだりしながら、社長と語り合いました。

6年がたって、高橋社長と、じっくり語ることができて良かったです。また1つ、何かを得たような、充実した気持ちで帰路につきました。
高橋徳治商店の皆さん、どうもありがとうございました。

訪問日:2017年3月下旬
報告者ペンネーム:みやぎのゆぅいちゃん(元組合員理事)
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