活動報告ブログ いきいき!産地つうしん | あいコープみやぎ

田尻・日向養豚にBMプラントが完成!

『耕畜連携・地域循環型農業』をめざした取組み

日向養豚代表 日向一郎さん
 田尻の日向養豚は、『耕畜連携・地域循環型農業』をめざした取組みの中心として、今年から「BMW技術」を導入した新しい挑戦を始めています。新設した「BMプラント」は、宮城県北部エリアでは初めての大型プラントで、5月下旬より稼動し、7月半ば頃にはBM活性水ができあがる予定です。
 BMプラント設置に当たり、日向さんの抱負を述べてもらうと、
「今回、BMプラントを導入するにあたって、私たち養豚農家としては”悪臭”の低減効果に興味があります。日向養豚では、200頭の母豚がいて、生まれた仔豚もあわせるとおよそ2000頭の豚たちから、毎日糞と尿がでるのです。糞は豚ぷん堆肥として活用していますが、BMW技術を使えば、尿も活用できる点に大いに期待しています。」
 日向さんは、これまで以上の優れた養豚のあり方を追求しています。

田尻・日向養豚のBMプラント
 田尻・日向養豚のBMプラント。4槽に分かれ、糞尿等が分解・浄化されています。

■BMW技術とは…
 BMW技術は、生態系の自然浄化作用の仕組み(循環系)に学び、その仕組みを人工的に再現する技術です。
自然界に学んだBMW技術
 山に雨が降ります。雨は、枯れ葉や落ち葉、動物の死骸等の有機物を通り、土壌に浸み込み、岩石を通り、長い時間をかけて地下水となって再び地表に湧き出てきます。この過程で、雨水は、大きな変化をします。水は浄化され、ミネラルを含んで美味しくなっていきます。
 これを畜産の糞尿処理に置き換えると、堆肥や尿を溶かし込んだ水に、岩石と腐植物質を入れ、ばっ気することでBM活性水に変化させます。
 日向養豚で出てくる尿は、これまで排水として放流されるだけでしたが、BMW技術を活用することで畜舎や畑で有益な形となって循環させることができます。

■飲水改善と堆肥に
健康で元気な仔豚
 できあがったBM活性水を豚の飲み水に加えることで、体内の腸内細菌を活発化させることになり、豚を健康にし、臭いを抑えることが可能になります。また、岩石から溶け出したミネラルが、微生物を活性化させると共に体内に吸収され、家畜の健康を助けます。
 すでに、日向養豚で稼動しているBMW技術を使った「飲水用プラント」のおかげで、養豚場につきものの”臭い”は、全く気になりませんでした。
 生重量で4.5tの糞が運び込まれる堆肥舎では、良い発酵をしてくれる微生物のバランスが大切です。BM活性水を堆肥へ散布することで、日向養豚に住み着いた良い微生物を堆肥でも循環させます。運び込まれる糞も、BM活性水を飲んでいる豚の腸内細菌の活性化や畜舎への散布により、堆肥舎に運ばれる前から発酵が始まり、堆肥全体の発酵の速度も速まりよりよい堆肥となっていきます。

■迫ナチュラルファームへ
 日向養豚で作られるBM活性水と堆肥は迫ナチュラルファームへ運ばれ、活用される予定で進められています。
 安定的なBM活性水と堆肥の供給がはじまれば、大郷みどり会でも実践されているBMW技術を使った野菜やお米の栽培が迫NFでも幅広く取り入れられます。植物の力を引き出すBM活性水と、日向養豚で作られた堆肥を合わせて利用することで、より美味しい農産物を栽培ができるようになり、あいコープの目指す『耕畜連携・地域循環型農業』に一歩近づくことができます。
農法研究会できゅうりの生育状態を説明する佐藤さん
 また、迫NFでは「農法研究会」の活動の一環として、農薬削減を目指した栽培実験が行われています。
 きゅうりで<農薬7割削減>に挑戦している生産者佐藤亀久夫さんは、病気との闘いの中で、農薬を7割減らす努力をしていました。「野菜の姿をみて、必要なときに最低限の農薬を使う。」そうすることで、慣行栽培よりも可能な限り農薬使用を抑えます。また、早いうちに農薬使用成分ゼロカウントの農薬を使って、病害虫の予防にも努めています。
 今後、BMW技術の導入と生産者の努力で、より良い農産物栽培ができることが期待されます。