仙台港調査の翌週、今度は石巻工業港に調査隊が集合です。

調査隊、石巻港パトロール中
毎年のようにGMナタネが見つかる石巻で、なんと今年初めて石巻市環境課の職員さんにご参加いただけました!
下見の段階で怪しい菜の花が咲いていたため、期待感が高まります。

葉っぱの形状確認
咲いていてはいけない花を期待してはいけないのに、つい高揚してしまうのは容疑者を見つけた刑事の心境でしょうか(笑)
今回の調査隊は総勢11名。組合員3名・理事4名をはじめ、遠く東京から駆けつけてくれたアーダ・ブレーンの佐藤圭社長と高橋徳治商店の高橋利彰部長、生産者側からも2名参加してくれました。

抜き取り完了!
さあ、最初にこの活動の目的と意義をお話してから、気になる菜の花2本に向かって二手に分かれ、抜き取りと周辺パトロールです。
それぞれ咲いているナタネを確認し、写真を撮ってから抜き取り、再び集合。
簡易検査は「せっかくなのでぜひ」と、市の職員さんに体験してもらいました。

出た!バスター耐性に二本線!
みんなが固唾をのんで見守る中で…出ました!二本線!除草剤「バスター」をかけても枯れないように遺伝子組み換えされたナタネでした。
ざわつき盛り上がる調査隊の中で「遺伝子組み換えナタネ」の存在をこれまで知らなかった職員さんは戸惑い気味。

GMナタネの現状説明
そんな彼にここぞとばかりに、GMナタネとは何なのか、以前石巻で見つかった除草剤をかけて一面枯れた雑草の中で枯れずに咲くGMナタネの写真を見せながらお話させていただきました。

2020年に見つかった除草剤がかけられたGMナタネ
このようなものをほとんどの人が日々食べているのに知らずにいる事実。わかりにくい表示の問題。
消費者が望まない遺伝子組み換えやゲノム編集された生物・植物が日本ではどんどん食卓に上りつつある現状。
「ぜんぜん知りませんでした」と職員さん。知れば「知らなかった」では済まされないことばかりでしょう。

試験紙入れまーす
場所を移し会館の室内で、以前採取して冷凍していた検体の簡易検査を続けます。

これもバスター耐性!
出るわ出るわ、バスター耐性もラウンドアップ耐性も。ただ驚いたことに、当日抜き取ったナタネは陰性でした。

ラウンドアップ耐性だ!
簡易検査では陰性でも状況は限りなく怪しいので、これは農民連食品分析センターにPCR検査を依頼します。
今年度のナタネ調査は20検体中8検体がGMと、陽性率が高いです。
このうち石巻港は11検体中8検体と陽性率約73%!!
もともと石巻港でセイヨウナタネが見つかれば「ほぼGM」ですが、今年の多さは異常です。
検査キットを価格高騰で買い控えたため、今後まだ見つかるならキットが足りなくなる可能性もあります。
冬に見つかった経験もあるので、冬まで検査キットはキープしたいのですが…。
環境省や農水省は報告会で「遺伝子汚染拡大の恐れはない」と言いますが、私たち市民がこうして抜いていなければ、間違いなく遺伝子汚染は拡大するでしょう。
このような食と環境両面の問題を改善したくて活動している仲間たちが全国にいて、20年続いている「ナタネ調査」は、消費者の気づきと行動をうながすきっかけのひとつでもあります。
そして「GMOフリーゾーンサポーター」として登録することで、GM食品に対する反対の意思表示ができますので、ぜひサポーター登録をお願いします。
「ナタネ調査隊」は来年も4月に出動し、大通りで大型トラックをかわしつつ黄色い菜の花を抜き取り、ひっそりと地域を守っています。
あなたも隊員になりませんか?
(担当理事)