活動報告ブログ いきいき!産地つうしん | あいコープみやぎ

第19回GMOフリーゾーン運動全国交流集会inえひめ 5・無茶々園圃場編

二日目はオプショナルツアーです。

山と海に挟まれた無茶々園圃場

山と海に挟まれた無茶々園圃場

最初に目指すのは、柑橘栽培とちりめんじゃこや真珠養殖などでおなじみの「無茶々園」さんです。
向かうバスの中で大津専務のお話を伺いました。

無農薬栽培という無茶なことを「無茶苦茶に頑張ってみよう」と、もともと実験園としてスタートしたこと。
「ムチャチャ」とはスペイン語で「女の子」「ちょうちょ」という意味だそうで、「ネオン街の蝶を追っかけるより、ミカン畑のアゲハ蝶を追いかけよう」(ちょっと笑っちゃった)そういう想いで名付けた「無茶々園」だそうです。

温暖化の影響が想定をはるかに超えてくる昨今、虫や病気の被害がひどく、もう温州ミカンは有機ではできないところまで来ていると。そんな中で収穫するミカンはその分価格が上昇してしまう。
「消費者の皆さん、ミカンの値段どこまで買ってくれます?」「ブランド柑橘は高値ついても売れるんです。でもスマホ代やスイーツには出せる金額がミカンになると出してもらえない」という言葉にドキッとしました。
確かにそうです。買い支えるとは言うけど、どこまで…
生産者サイドの悲痛な言葉に「安全なものが欲しい、美味しいものが食べたい、でもこれじゃ高いなあ」となりがちな消費者の身勝手な立場を思い知らされました。

ほかにも、山と海の環境保護・循環の観点から続けている石けん運動や藻場の維持、なぜ無茶々園がちりめんじゃこや真珠を売り、青のりの陸上養殖なのかというお話や、地域を巻き込んだ福祉事業まで手掛けているお話も聞き、私の知っていた「無茶々園」はごくごく一部だったのだと驚きました。

圃場が近づいてくると、山の上から細い坂道を一気に海まで降りていきます。
街場からの距離感に通院や通学・買い物は大変そうだなと感じつつも、山と海に挟まれた段々畑は壮観です。

産地の様子をお話いただきました

産地の様子をお話いただきました

バスから降りて、収穫した柑橘を運ぶモノレールや、昔の人たちが人力で積み上げてきた石垣を眺めながら、急斜面での作業の様子を想像します。

柑橘を運ぶモノレール

柑橘を運ぶモノレール

2024年度は暑さと病気、害虫と獣害で不作を通り越し過去最悪の凶作だったそう。この日3月初頭にも関わらず20℃近い気温で汗ばむ中、今年の生産現場はどうなるのかと思いを巡らせました。

斜面に立つ柱を指さし「あれはスプリンクラーです。水ではなく農薬をまいていました」と。

画面右下にあるポールがスプリンクラー

画面右下にあるポールがスプリンクラー

近隣の生産者に「農薬散布を止めて欲しい」と依頼し、今は使われていないそうですが、当時かなりの反発があったそうです。

それでも「無茶々園は環境破壊を伴わず、健康で安全な食べ物の生産を通じて真のエコロジカルライフを求め、町づくりを目指す運動体です」という理念を掲げ、今は「(株)地域法人」や「地域協同組合」などいくつもの事業を立ち上げ、地域の経済活動と雇用を支える存在です。

気候変動や資材高騰、高齢化問題などにも立ち向かい、地域を活性化させている無茶々園さんの取り組みに敬意と感謝を表します。

(担当理事)