田植えへ向けて米作りは着々と始まっています。
3月初旬、農法研究会の一環として、大郷みどり会で「種もみ」準備の実践講習が行われました。
「塩水選」丈夫なイネは種選びから
美味しい米作りは、まず『良い種』を選ぶことから始まります。実入りが良く充実した種もみを、比重を調節した塩水に浸し、重さで見分けることで「良い種」を選びます。みどり会の若手生産者にとってもはじめての経験だそうです。今年、みどり会で栽培する、ひとめぼれ、ササニシキなど5品種すべての種もみを塩水選しました。
↑指先側が実入りの良い種
「温湯消毒」農薬を使わない種子消毒
種もみを60度のお湯に10分浸すことで、種もみの表面に付いている「いもち病」や「ばか苗病」といった、イネの病原菌を死滅させることができます。近年、減農薬栽培が広がる中で増えている方法です。ここで西塚さんから大切なポイントを聞くと、一度に処理する「量と時間」、そして「温度」を守ること。昔は、風呂の残り湯を使って温湯消毒をしたこともあり、温度管理や時間の調節を失敗して、大事な種もみを駄目にしてしまった経験もあったそうです。機械の改良が進み、温度を厳密に管理できるようになったことで、この温湯消毒は農薬削減の技術として現在注目を浴びています。昔の知恵と現代の技術が結びついた方法のひとつですね。
↑塩水選を教わる若手生産者
これらは昔から伝えられてきた方法で、ベテラン生産者の指導のもと、若手生産者も一緒になってみどり会での米作りは進められていました。今回準備した種もみは、4月初旬に苗箱に播いて、5月の田植えに向けて育てていくそうです。