活動報告ブログ いきいき!産地つうしん | あいコープみやぎ

10/10 パレスチナオリーブオイル生産者との交流会

まんま通信に月一回ほどのサイクルで掲載される「パレスチナオリーブオイル」。
なぜパレスチナオリーブオイルを扱うのでしょうか。美味しいから?安全だから?それだけではないフェアトレードの意義を学ぼうと、生産者との交流会が開催されました。

会場となったエルパーク仙台に集まったのは22名の組合員。東京都内で行われた「民衆交易フォーラム」のため来日していたUAWC(パレスチナ農業開発委員会)のフアッド・アブセイフさんに、仙台までお越しいただきお話を聞く計画です。

しかし一転、計画は変更を余儀なくされます。パレスチナの武装組織ハマスとイスラエルとの武力衝突が発生し、来日中のフアッドさんが帰国を早めざるを得なくなってしまいました。
長年続く「パレスチナ問題」で苦しむ農民の力になろうと行われている取り組みを学べるタイミングで、ますます過酷な事態に陥り、学ぶ事ができなくなるという皮肉な状況です。
フアッドさんは仙台にお越し頂けなくなりましたが、こんな時こそ学ばなければと企画は決行し、同行予定だったオルタートレードジャパン(以下ATJ)の黒岩さん単独で来仙いただきました。

講演するATJ黒岩さん

講演するATJ黒岩さん

「パレスチナ問題」は根深く、事の起こりは19世紀末まで遡るそうです。
宗教や領土のいさかいは、現代の日本人には想像もつかない世界ですが、現に今、イスラエルによって建設された分離壁により不自由な生活を強いられるパレスチナ人がいて、今回の武力衝突で死傷者が出ているということを、初めてとても身近に感じました。遠い世界の出来事と思っていたことが、目の前にあるオリーブオイルのボトルから一気に自分自身に流れ込む思いでした。

ATJはパレスチナのオリーブオイルや、フィリピンのバランゴンバナナなどの生産者と私たち消費者をつなぐ会社です。
ATJの黒岩さんから、パレスチナのオリーブ生産者はいつ襲撃されるかわからない危険な農地になかなか行けないことや、自由に水を引く事ができず農作業がままならないことなどをお聞きしました。そんな中で耕作を放棄してしまえば「使用していない土地」とみなされ奪取されてしまうかもしれません。パレスチナの人々を守り、農地を守るため設立されたのがUAWCです。土地開発や、女性の労働力、環境保護や農民の収入創出まで様々なプログラムを取り入れ、オリーブの生産を支援しています。

フアッドさんのメッセージを聞く参加者

フアッドさんのメッセージを聞く参加者

この活動の詳細は、来仙できなかったフアッドさんのビデオメッセージで伝えられ、対面はかないませんでしたがしっかり受け止める事ができました。(フアッドさんはこの日予定を繰り上げて帰国したため、国境閉鎖前に自国パレスチナに滑り込む事ができたと後で伺い、ひとまず安堵しました。)

パレスチナオリーブオイル

パレスチナオリーブオイル

数々の苦難を乗り越えて得たオリーブオイルはパレスチナの涙と表現されるそうです。

あいコープ自慢の食材とオリーブオイルのマリアージュ♪

あいコープ自慢の食材とオリーブオイルのマリアージュ♪

学習会の最後に、みんなでこのパレスチナオリーブオイルを試食しました。さわやかな香りが豆腐やトマトに良く合い、オリーブオイルを塗って焼いたトーストは香ばしく、しみじみと頂きました。「私たちの買い物が社会を変える」…あいコープがいつも発信しているキーワードです。

オリーブオイルを利用して何が変わるのか。問題は根深く強大ですが、パレスチナで平和を願い地道に農業を続ける農民の支えになれればと願う学習会となりました。

(担当理事)