2014年4月よりはじまった「ゆうぶらんど通信」では、あいコープ栽培基準達成に向けた産地での農薬削減等の取組みを組合員、生産者へお伝えします。
ゆうぶらんど通信 vol.2 農法研究会 2014年5月12日発行
~挑戦!天童果実同志会 全員の圃場でネオニコチノイド系農薬不使用~
日に日に暖かくなってきた今日この頃。産地でも農作業が本格的に始まってきました。
水稲では種まき、育苗。野菜では苗の定植。農法研究会で実験を行う圃場でも、少しずつ取組みが始まっています。果樹栽培では4月下旬~5月上旬にかけて開花を迎え、収穫まで気の抜けない日々が続きます。
山形県にあり、あいコープと30年以上付き合いがある果樹の産直産地、天童果実同志会では2014年度「大きな実験」に挑戦します!
天童果実同志会青年部 さくらんぼハウスにて(4月)
■栽培果樹全品目、全圃場で!
「全品目、全圃場でネオニコチノイド系農薬不使用の防除体系を実践」です!
品目はさくらんぼ、ぶどう、りんご、西洋なし、すもも。
会長の片桐完一さんは昨年度自身のりんご圃場の一部でネオニコチノイド系農薬不使用の栽培実験を行いました。あいコープの組合員も支援オーナーとなり、畑に現れる病害虫の影響を完一さんと一緒に学びながら、1年目の秋には無事収穫を迎えました。
■組合員と一緒に作る特別さ
「組合員と一緒になって作った果物」は完一さんにとって特別な価値とやりがいを感じさせてくれました。この取組みを天童果実同志会のみんなで実施しよう、と完一さんが呼び掛け、2014年度は同志会11名全員で挑戦することになったのです。
■不使用による将来のリスク
もちろん、この取組みにはリスクもあります。
3年、5年と時間が経ってから、ネオニコチノイド系農薬により抑えられていた害虫の生息密度が増し、園地に大きなダメージを与えるかもしれません。すでに病気でダメージを受けている樹が、害虫によって今よりも深刻な被害に進行する懸念もあります。
■総合防除の観点から対策
「ネオニコ」という万能薬を使わずに、丈夫な樹・葉・果実を作るため「休眠期に最小限の予防剤で効果的な対策を取る」「施肥を見直し、虫が好む新梢を余計に出さない」と総合防除の観点から病害虫対策をします。
近年、異常気象による影響が全国的にみられます。
天童でも昨年は春先の低温でさくらんぼは減収、夏の大雨により上水道が機能せず地域は一時断水となりました。また減農薬栽培を始めてから西洋ナシで胴枯れ病が蔓延し、深刻な被害が拡大しています。「ネオニコ」以外にも解決しなければならない課題が多くある中、天童果実同志会が取り組む挑戦をあいコープの組合員も一緒に支えていきましょう!
他の産地でも様々な実験計画が届いています!
次号以降でみなさんにご紹介していきます。