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士別農園の原点、「協同組合」の精神-産地のおと-


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士別農園の原点、「協同組合」の精神

士別農園の原点、「協同組合」の精神

農事組合法人 士別農園(北海道士別市)1972年に自給自足の暮らしを目指した農家6組が集まり設立。北海道、旭川から北へ60キロ北上したところに位置し、じゃがいもや玉ネギ、かぼちゃを9月から12月にかけ出荷します。

設立当初からのこだわり

じゃがいもや玉ネギの出荷産地である士別農園(北海道)は、1972年に有畜複合経営※を行い、自給自足を目指した6組の農家により設立された農事組合法人です。
(※農作物の生産と畜産を組み合わせた経営。)

当時、士別農園は養豚などの畜産と畑作・水田の農産を組み合わせた経営を主体としながら、ハムやソーセージ、漬物やみそといった加工、そして移動販売までも一貫して取り組むことで、生産物を無駄なく利用し、添加物などにも頼らない食品の生産を実現していました。残念ながら現在は人手不足により、畜産と加工、移動販売からは手をひいてしまいましたが、設立当初からの思いである農薬削減の取り組みは変わりません。

生育中の玉ネギ
生育中の玉ネギ

農園の畑は設立当初から除草剤不使用。大規模農業が主流の北海道で、あえて人の手間をかけた栽培に取り組んできました。今季はあいコープへ出荷する玉ネギのほぼ全量が農薬不使用となるとのことで、その挑戦は続いています。

(左)代表の古市さん、(右)副代表の眞鍋さん
(左)代表の古市さん、(右)副代表の眞鍋さん

「士別農園はもともと、自分たちの手で、安心して子供たちに食べさせたいという思いから始まったんだ。昔、農園の事務所は自営の託児スペースで、親が畑仕事をしている間はここに預けられた。当時、教育費はもちろん居住費など共同の会計から支払っていたんだよ。あっ、なんかこの流れって生協と同じかも」と、農園の古市代表は当時を振り返ります。あいコープとの付き合いも、こうした先人たちの思いが引き合わせたのでしょう。
しかし、農業が基幹産業であるこの地域でも、年々人手不足に悩まされています。
「除草剤不使用で栽培するとなると、除草作業は必須。ある程度は機械で除草できますが、それでもやっぱり人の手が必要なんですよね。周りでも農業を継続できない方が増えてきているので、いずれは農地を引き受け、除草剤を使用した、効率的な栽培も行っていかなければならない日が来るかもしれません」と、地域を取り巻く問題は深刻です。
厳しい農業情勢の中、「共同」の力がより一層、その価値を問われていくのかもしれません。

北海道の玉ネギ(農薬不使用)
北海道の玉ネギ