活動報告ブログ いきいき!産地つうしん | あいコープみやぎ

12/1 介護学習会 『家族が認知症かも?』と思った時に

両親が認知症になった場合の介護を想定し、また実際に認知症のご家族がいらっしゃる方の体験談をお聞きし、認知症への理解を深める会を開催しました。
当日は幅広い年代の方が集まり、総勢43名の参加がありました。

前半は、ケアマネージャーの山崎彰子さんから「認知症の人との接し方と本人・家族の支援」についてご講演いただきました。

講師の山崎彰子さん

講師の山崎彰子さん

山崎彰子氏講演【認知症の人との接し方と本人・家族の支援】

講演の中では、ただの物忘れは問題はなく、生活に支障がでてきた時に初めて「認知症」と呼ばれるとのことです。
例えば、「昨日の夕飯何食べたっけ?」と食べた内容を忘れてしまうことはよくありますが、食事をしたのに食事したことそのものを忘れてしまったり、また、いつも行っているスーパーから家に帰れなくなってしまう、物をなくして見つからない時に、理性が働くのが当たり前なのに「あなた盗ったでしょ?」とすぐに言ってくる時は認知症を疑った方がよいとのことでした。​

実際に認知症が始まると病院にかかるのを嫌がる方はとても多いので、「一緒に健康診断を受けよう」と誘って一人ではなく家族と一緒に病院を受診する、また病院に行くのが嫌であれば訪問をしてくれるところもあるそうなので、まずはかかりつけ医や、行政、中学校区ごとにある「地域包括支援センター」に相談してみるのも良いそうです。

後半は認知症のご家族を介護した経験がある方3名と山崎さんに登壇していただき、パネルディスカッションを行いました。

パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションの様子

介護を経験された方の最初の気づきとして、買い物の時に小銭が一杯あるのにお札しか出 さなくなったり、とてもきれい好きで整理整頓されていた家が段々片づかなくなり、キャッシュカードの暗証番号を忘れてしまったり通帳をなくして再発行の手続きに銀行に何回も足を運んだり、ちょうど震災の時に「大変だろうから何か送るね」と電話で話す度に言ってくれるのに荷物が一向に送られてこないので「おかしいな」と気づいたことなどをお聞きしました。​

また、遠方に住んでいる場合や、介護する兄弟姉妹との関係、介護施設の選び方についても話題が広がりました。講師の山崎彰子さん自身もお母さまが認知症で、遠方に弟さんと同居されていたそうですが、弟さんが楽天的な方でとても助かった、「できることはやって、できないところは感謝する」とおっしゃっていました。​

介護をするうえで大切なことは「介護は決して一人で抱え込まない、チームで支えること、そして認知症の方にも尊厳がある」ということ。
自分ひとりで抱えようとせず、家族や友人、行政や病院にも相談したり、サービスを利用すること。認知症でも感情やプライドはあるので、しっかり顔を見て話しかける、受け止める​ということが大事だそうです。

会場の様子

会場の様子

【参加者の感想(アンケートより一部抜粋)】
・認知症の症状と対応などわかりやすく教えていただきました。パネルディスカッションでは具体的なお話がきけて大変参考になりました。

・少しの心構えは出来たのかな?と思います。今回だけでなく、またこういう機会が欲しいです。同じ話でも、タイミングが違えば感じることが違うと思うので。

・基礎知識を知れて良かったです。各パネルリストの具体例を聞けて貴重な機会でした。
認知症だった母はかかりつけ内科で出された薬が適正ではなく脳神経外科を見つけて薬用が減り漢方をプラスすることで落ち着きました。認知症をよく知らない内科医が多いと聞きます。医者選びは大切だと思います。今日はみなさんの体験を聞けて参考になりました。

・1人頑張らなくていいんだという事を伝えることも大切かと思いました。山崎さんのお話は説得力があって心に響きました。また、自分もいつか認知症になるかもしれないので、今のうちに準備したいと思います。

講師の山崎彰子さんは、仙台購入会(現:あいコープみやぎ)時代に開催されたヘルパー2級養成講座終了し、その後仙台協同購入会母体とした木もれび(ケアグループ・ミニデイサービス)に管理者として従事され、平成20年よりケアマネジャーとして勤務されました。
残念ながら木もれびは平成30年に解散しましたが、その後もケアプランセンター木もれびでケアマネジャーとして活躍されています。

またあいコープのジョイケア新聞に介護コラムを隔月で掲載、またジョイケアの無料電話相談で介護相談を担当されていらっしゃいますので、お困りの方がいらっしゃいましたら、是非ご利用ください。​

ご参加いただいた皆様ありがとうございました。

(担当理事)