梅雨の晴れ間の7月3日、秋保ゆうきの会と宮城野・太白・泉A地区委員会が産地交流を行い、「仙台芭蕉菜」の種取りをしました。
仙台芭蕉菜は、白菜と小松菜の間のような葉物野菜で、かつてはよく食べられていたそうです。生でサラダにしてもよし、お漬け物にしてもよしの万能選手です。
あいコープみやぎでは、2018年の主要農作物種子法廃止をきっかけに、今や買うのが当たり前の種を自分たちで種取りする「たねまきプロジェクト」を始め、今年で3年目になりました。
秋保ゆうきの会・渡辺さん
秋保ゆうきの会の生産者さんである渡辺さんと一緒に早速作業に取りかかります。
芭蕉菜はナタネと同じアブラナ科なので、長細い鞘のなかに小さな種が入っています。それをひとつずつもいで選り分けるのかな?と勝手に想像していましたら、なんといきなりカサカサになった茎ごと棒で叩いて大胆に粉々にするところからスタート。
カサカサになった芭蕉菜を砕いていきます。かた焼きそばを砕くようで気持ちいい!
次に、茎をふるいにかけ、大きなごみを取り除いていきます。
ブルーシートの上でふるいにかけると、パラパラパラと種子が落ちる音が聞こえます。
ふるいにかけて大きなごみを取る
最後がメインイベント!
細かいごみを風で吹き飛ばして種だけ残すため、うちわで一斉にあおぎます。
皆で代わる代わるやるうちにだんだん上手になってきて、こういうのは女の人が向いてるのかもね~なんて話も出ました。
「頑張ってあおぐよ!」ごみを風で吹き飛ばします
今回とれた種で150~200ml位。約6軒の農家さん分が賄えるそうです。
こうやって毎年種取りを繰り返すうち、秋保の土地にぴったりの芭蕉菜が育っていく事になります。昔の人はこの地道な作業を脈々と続けて種を守ってきたのだなと思いました。
一般に販売されている種子は、味や大きさ、収穫量などが好ましい特徴を持った均質な作物が育つような遺伝子を持っています。均質な作物が安定してとれることは農家に恩恵をもたらしましたが、あまりに均質であれば特定の病害虫や気候変動に弱い恐れがありますし、種子の価格が上昇すれば生産者の経営に影響があります。これまでは種子法の下、米を始めとする主要農作物は都道府県ごとに品種改良が進められ、生産者は良い品種の種子を安定して得られる仕組みがありました。しかし、一般企業の参入を促す為という目的で種子法は廃止されています。
今回のコロナ禍で外国からの物流が止まり、自分たちに必要なものを自ら得ることの大切さを感じた方も多かったと思います。作物は種子がなければ育てることができません。種取りの活動と、折々のお世話を通して「自分たちの口に入るものを、どう得るか」という事に思いを馳せながら活動を行っていきたいと思いました。
秋保のA、あいコープのAでポーズ
(担当理事)