海洋プラスチック汚染問題研究の第一人者であられる東京農工大学農学部環境資源科学科教授の高田秀重氏を講師にお迎えし、海の見える会場の七ヶ浜国際村で学習会を開催しました。
「海洋プラスチック汚染は汚染の問題であると同時に温暖化の問題である」
プラスチックは年間4億トンも生産され、それは石油産出量の8~10%にもあたるそう。そのうちの半分は容器包装などの使い捨てるプラスチックに使用され、使用後にリサイクルするにもエネルギーを必要とすること、プラスチックは何度もリサイクルできるものではないこと、そしてリサイクルできないものは焼却されること、結果石油を燃やしているのと同様とのこと。
500mlのペットボトル1本をリサイクルするのに、エアコンを20分稼働させた分の二酸化炭素が排出されているそうで、身近にあるペットボトルの本数を想像するとゾッとしました。
また、日本の川や海岸、インドネシアやハワイの無人島の海岸などに溢れるプラスチックゴミの写真も見せていただきました。
生産されたプラスチックが年間170万tも身の回りから海に流れ出ており、そこから発生するマイクロプラスチックの問題についてもお聞きしました。
中でもプラスチックは作られた時点で劣化が始まっているとのお話に驚き、それを防ぐために紫外線吸収剤や酸化防止剤など多くの添加剤が含まれていて、海鳥やクジラ、魚など多くの動物の物質的な影響だけではなく、人の糞便や血液中からも検出されていて、健康影響も出ている研究結果があるのだそうです。
では自分達はどう気を付けていけばいいのか、例えばラップの代わりに陶器の蓋や皿を蓋替わりに使用する、マイボトル、マイバック、固形石けん、天然素材の衣服を選ぶ…など。
講演後は実際に菖蒲田浜へプラスチックの原料のレジンペレットを拾いに行きました。
砂浜におりると次々に見つかるレジンペレットに、参加された組合員さんにも身近な問題として感じていただけたのではないかと思いました。
皆さんのお手元にも届いている「プラスチック条約策定に関する要望書」にもあるように、一人ひとりがプラスチックの使用量を減らすことは勿論、そもそもの作られるプラスチックの量を減らすこと、そして添加される有害な化学物質の使用の規制が必要だと強く感じました。
(担当理事)