かつて仙台で広く食されていた仙台芭蕉菜は、江戸時代に荒川区三河島で誕生しましたが昭和初期に絶滅しました。
仙台藩の足軽が、種子を江戸から仙台に持ち帰り「仙台芭蕉菜」として残り、年々作る人が減っている貴重な在来作物の一つです。
「仙台芭蕉菜のたねをつなごう」とあいコープと秋保ゆうきの会の渡辺さんとで取り組んでいる企画が秋保で行われました。

秋保ゆうきの会の渡辺さん
初めに渡辺さんから、長い年月をかけて繋がってきたたねのお話をしていただき「現代はたねを採る作業が無くなってしまいました。たねを手元に持っておくことが人間にとって必要な資源です」という言葉が印象的でした。

仙台芭蕉菜の鞘
栽培をおまかせしている渡辺さんに、春に花が咲き種ができた鞘を乾燥させて持って来てもらいました。
例年であれば体育館のような広い場所でシートを広げ、乾燥した鞘を棒で叩いてたねを採っていますが、今年の狭い会場に合わせて、渡辺さんに狭い室内でもたねを採ることができる方法を考えていただき、机の上で作業することができました。

黙々とたね採り
芭蕉菜のたねは簡単に弾けて飛んでしまうので、優しくゆっくりと鞘からたねを採ります。

仙台芭蕉菜のたね
いつもより採れる量は少なくなりましたが、やっていくうちに皆さん夢中になり、気づけばあっという間に時間が過ぎていきます。
仙台芭蕉菜は60㎝の高さまで大きくなり、葉は幅広く肉厚で、パリッとした食感が特徴。漬物やお浸しにするととても美味しい野菜です。
仙台芭蕉菜のたねは9月上旬に撒くと、11月には食べられるようになり、アブラナ科の種は冷蔵庫で保管すれば5~6年は持つので今年植えるのを忘れてしまっても大丈夫ということです。

たくさんのたねとたね
後半のたねの交換会では、「たねBOX」の説明やOKシードプロジェクトについてもお話しました。
「たねBOX」は日本各地の種を交換しながら全国を旅しています。
これはOKシードプロジェクトが参加しているイベントをきっかけに、富士山麓シードバンクの“Seedおじさん”こと鈴木一正さんがご自分の役目を感じて始めた取り組みです。

参加者さんは「たねBOX」に興味津々!
渡辺さんが生産している秋保小豆や鷹の爪タオレーズ、他には打木源助大根、新黒田五寸人参、村岡人参など聞いたことのない野菜のたねがたくさん入っていました。
流通している野菜のたねの9割が海外からの輸入品という現状をよく考え、「道具がなくてもたねがあれば生きていける」という渡辺さんの言葉に共感し、持ち帰った貴重なたねを植えて、育てて、そしてたくさんの人に繋いでもらいたいと思いました。
(担当理事)
