活動報告ブログ いきいき!産地つうしん | あいコープみやぎ

11/19 魚食プロジェクト・石巻魚市場見学

魚を食べることが減少傾向にある昨今。魚のおいしさや大切さなど「魚食の魅力」を発信するために、お魚大好きな組合員中心のメンバーが集まって「魚食プロジェクト」を立ち上げました。
その魚食プロジェクトメンバーが集まって、石巻魚市場を見学してきました。

夜明け前の5時30分、石巻魚市場2階に集合!
上から見下ろすとすでに、ヤリイカ、あんこう、さばなど他魚種が水揚げされていました。
この日の目当ては間宮商店さんが作る“近海マサバふっくら干し”を始めとするサバの水揚げとそのサバを冷凍保管する盛信冷凍庫という会社の見学です。

6時頃から帽子に生産者名と番号を付けた仲買人が集まって活気のあるセリが始まりました。
市場の電光掲示板を見ると、サバ漁の船は7時に帰船するとの事。時間通りに来ました来ました!
船に備わっている大きな網で、デッキ下の水槽から氷と一緒にサバをすくいあげ、大量のサバが陸に置かれたコンテナに移されました。

船に備わる巨大な網でサバをコンテナに移します
魚食プロジェクト・石巻魚市場見学

そうそう!テレビでよく見る光景!大興奮です( *´艸`)

こちらは仲買人が買うかどうかの判断をする為のサンプル用のコンテナです。

仲買人が目安にできるよう、大きさごとに目方(参考値)が添付されています
仲買人が目安にすつためのサンプル用のコンテナ

すぐにコンテナは市場の中へと運ばれ、大きさが違うサバを数尾並べてだいたいのグラム数を表示したり、脂の乗りが確認できるよう輪切りにされていました。

サバの断面を見て脂の乗りを判断
サバの断面を見て脂の乗りを判断

ほどなくして入札準備が始まりました。入札したい人はベルが鳴っている間に手続きをとるという仕組みになっているとのこと。

その後は石巻魚市場の社長さんから放射能対策についてもお話を伺いました。
可食部分1kgをミンチにして30分間計測するNAIシンチレーション検出器5台の他、東北大と共同で開発した鮮魚を丸のままベルトコンベア式測定機に乗せて数値ごとに選別できるもの、また発泡スチロールに入ったままの魚の数値を選別できるベルトコンベア式測定器なども見せていただきました。
発砲スチロールごと測定できる機械は、なんと!世界に一台しかないということです!

ベルトコンベア式の放射能測定選別機
ベルトコンベア式の放射能測定選別機

8時50分に本日2度目のサバの水揚げがありましたが、盛信冷凍の社長さんがこれだ!と思うものがなかったようで、残念ながらこの日、サバの買付けはしなかったようです。

その後、盛信冷凍庫さんに場所を移し、実際に工場の中を見学させていただきました。
サバの選別から冷凍、段ボールの準備など社長さんが思いついた全てを機械でできるよう形にした工場は、あらゆる工夫がされた作りでした。
そのおかげで昔は30~40人で一日に40~50トン処理していたことを、現在は15人で200トンもの量に対応できるそうです。

盛信冷凍庫の社長さんに工場の中をみせていただく
工場見学

サバが通りながら大きさも選別される仕組みになっています
工場見学

鯖をはじめ多魚種を扱う盛信冷凍庫さん、こんな風に大きな箱状の塊にして冷凍庫に入ります
工場見学

本来ならば、サバが選別されて冷凍される工程を見学できたところ、叶いませんでした。

それというのも温暖化の原因により本来この時期に水揚げされる魚が揚がらないそうなのです。
西日本で水揚げされる太刀魚やフグが揚がったり、サバでいうと“マサバ”よりも“ゴマサバ”の方が温かい温度帯にいるそうで、ごまさばがまだ揚がっているとのこと。
魚食をすすめるうえでもさまざまな問題が見えてきました。
魚市場の社長は各家庭で料理する人が減少していることや魚離れの現状も憂いておいででした。

それでもこの日本伝統の魚食文化をこれからも伝える為に、尚一層魚食プロジェクトで魚食の素晴らしさを発信していきたいと思ったところです。
貴重な見学の機会を作って下さった間宮商店の皆さま、ありがとうございました!

(担当理事)