皆さんは、冬のたんぼをどう見ていますか?
本日紹介する3枚は美里町で取った写真です。何気ない風景ですが…
上の写真は、(左)稲の切り株がそのままに残された田んぼと、(右)イネ株やワラが耕転された(秋起こし,秋処理)田んぼの写真です。
秋はそのまま残して、春になってから起こすと、ワラが分解出来ず、ガスわき(硫化水素)を起こして根が腐る恐れがあります。
写真右側のように、稲刈り終了後、気温が高いうちに発酵鶏糞や米ヌカを散布して耕転しておくと、ワラが分解されて水溶性炭水化物になり、地力の増進になります。
また、土を耕転することで土中の雑草の種が発芽して寒さで枯れていくので、雑草対策になり、春の作業が楽になります。これは、篤農家?の田んぼかな?
しかし、この2枚目の写真のように、ガンや白鳥にとっては、稲刈り後の「そのままの田んぼ」が好都合です。
落ちた「もみ」が残っており、彼らのえさになります。
また、土中の雑草の種を食べるので、除草効果もあるといわれています。
「来年の収量をアップするためには秋おこし、野鳥のためには春おこし」ということになりますが「面倒で春に」というケースが多いようです。
3枚目の写真は、一の蔵酒造の「ふゆ・みず・たんぼ」の写真です。
これは、不耕起栽培農法(消極的に放置するのでなく、積極的にまったく耕さない方法)と、冬にも水を張ったままにする農法を実践しているの田んぼです。
野鳥のえさ場として活用することによって野鳥のふんも残り、ワラ・イネ株の分解も進み、ほとんど肥料がいらなくなります。
このように一見何でもない冬のたんぼの景色が色んな意味を持っています。
春には、どうなるかな?