「じゃれつき遊び」とは、その名の通り、体を使ったスキンシップをすることで子どもの脳が鍛えられるという、科学的根拠に基づいた遊びのことです。
じゃれつき遊びを実践されている、栃木県宇都宮市にある学校法人・さつき幼稚園理事長の井上高光さんをお招きして、親子で体験できる企画を開催しました。
今回参加して下さった方はお子さんも含め総勢60名近く。関心の高さが伺えます。
まずは大人の方を対象に、井上先生より「生きる力育てるじゃれつき遊び」と題してご講演頂きました。
乳幼児の生きがいは「たべること・遊ぶこと」であり、生活の中心課題は遊び(運動)のはずなのに、近年の子育てには「遊び」の視点が欠落しているとおっしゃいます。充分に遊ぶことのない子どもは運動能力の衰えのみならず、脳の未発達により落ち着きや集中力が低下するそうです。
じゃれつき遊びで興奮することで喜怒哀楽を司る脳の扁桃体が活性化し、遊びで充分に満足感を得られることで抑制を司る大脳前頭葉が鍛えられ、結果的に集中力がつくそうです。
毎朝じゃれつき遊びを実践して今年で40年目になるさつき幼稚園。
入園当初、足形をとると土踏まずがない子どもも、徐々に土踏まずが形成されて、それと同時に運動能力も高くなるとのことでした。
遊ぶことで徐々に土踏まずが形成される
講演のあとは、お子さんも一緒にじゃれつき遊び体験です。
動き回れるようにホールに移動し、裸足になってスタンバイOK!
まずは先生から、参加のお子さんと実演していただきました。
思わぬアクロバティックなスキンシップに、最初は驚いたお子さんも「楽しい!」と笑顔に。
アクロバティックなスキンシップ
最初は驚いたお子さんも「楽しい!」と笑顔に
力のないお母さんでもできるタオルケットを使った遊びも教えて頂き、さっそくみんなで体験!
タオルケットを使った遊び
ぶらーん
ぶらーん、ぶらーん
本当に楽しそうな子どもたち
子ども達の楽しそうな様子にお母さんや周りの大人も自然と笑顔になる、有意義なひとときでした。
今回紹介して頂いた遊びは、主に3-4歳の子供が対象でしたが、もっと小さいお子さんには「くすぐり合いっこ」や、赤ちゃんには話しかけだけでも充分な効果があるとの事でした。
先生は、朝の5分間だけでもじゃれつき遊びをおこなうことで満足感が得られる、「毎朝5分じゃれつき遊び運動」を広めていきたいとおっしゃっていました。
また、参加者の方からは小学生など大きくなった子どもにはどうアプローチしたら?との質問に、「本人が好きな事、楽しいと思うことをしてあげたらいいと思う。じゃれつき遊びは幼少期に大きな効果があるが、大きくなった子どもでも充分に取り戻せる。」とのことでした。
「じゃれつき遊び」。子ども達のために、今からでも始めてみませんか。
(担当理事)