活動報告ブログ いきいき!産地つうしん | あいコープみやぎ

飼料米の話 その2

1月21日に、あいコープの飼料米の生産者が集まって、昨年の検討会を開きました。

角田と大郷、田尻、迫いずれの生産者も、新規需要米(※1)に8万円の補助金(※2)が付いたこともあって、2010年は飼料米の作付面積が増加しました。

 (※1)新規需要米
  米粉・飼料用などの、主食用米の需給に影響を及ぼさないお米のこと。
 (※2)補助金
  国の減反政策で、食用米から転作すると、補助金が出る。

また、
 ・転作大豆の後作で肥料を使用しない
 ・ラジコンヘリによる直播き(苗を育てたり、いわゆる”田植え作業”をしないで済む。)
などによる、コスト削減なども追求されました。

収量は、大郷の[ゆめあおば](飼料専用種)で玄米換算で約800kg/10aの収量が最高でしたが、
他の生産地は550kg~600kg台ということで、食料米よりは少し多い(※3)という結果でした。

 (※3)食料米の収量
  10a当たりの全国平均で523.6kg。宮城県は532.4kg。(2008年の調査より)
  参考サイト:http://todo-ran.com/t/kiji/11792

 しかし、こうした収穫量では、補助金が無くなると「やっていけなく」なります

1月11日に、米沢郷牧場で、東京農大・信岡先生の飼料米についての講演会がありました。
↓の写真は、その時に先生から頂いた、飼料用稲「モミロマン」と食用米「こしひかり」を比べたものです。
飼料用稲「モミロマン」と食用米「こしひかり」
  ↑「モミロマン」の稲は、株・背丈・粒、すべて大きい。
飼料用稲「モミロマン」と食用米「こしひかり」
  ↑くき1本につく、米粒の数も「モミロマン」の圧勝!
  モミロマン:枝梗15本で412粒 コシヒカリ:枝梗10本で93粒

モミロマンがいかに大きいか、多収穫の米か、一目瞭然に分かると思います。

信岡先生は講演の中で、米でなく「飼料穀物を栽培する」という発想の転換が必要だと力説されていました。

具体的は、モミ米換算で1000kg/10a以上の収量を上げることを目標にしよう!ということです。
また、コストを削減するために、
 ・直播き (コスト削減効果は前述)
 ・深水管理 (雑草を抑えるなどの効果がある)
 ・出来るだけ田んぼで乾かす (機械で乾燥させるコストを削減)
 ・モミ貯蔵で普通倉庫に保管する (米の状態での保存は、温度管理などでコストがかかる)
 ・モミで家畜に食べさせる (精米のコストを削減。家畜も丈夫に育つ)
…などを課題に上げています。

昨年は8万円の補助ということで、飼料米が広がりました。
しかし、輸入とうもろこしの価格(20~30円/kg)に対抗するためには、
もっと低い補助金でもやっていける、多収穫で低コストの農法の確立が緊急の課題になっています。

信岡先生の飼料米3D作戦
 で(D)きるだけ 手を抜いて
 で(D)きるだけ まずい米(高タンパク米)を
 で(D)きるだけ たくさん獲る