共生会 | あいコープみやぎ

生産者グループきばる

生産者グループきばる
私たちは、熊本県水俣市、葦北郡、天草市に居住して、甘夏みかん、しらぬい(商標名:デコポン)などを生産するグループです。

不知火海を取り囲むように分布するこの地域は、温暖な気候が晩柑類の生産に適しています。


ここはまた、かつて甚大な水俣病被害を受けた地域でもあります。水俣病は、チッソ株式会社(現在は「JNC(ジャパン・ニュー・チッソ)」)が垂れ流した排水に含まれていた有機水銀により引き起こされました。
1956年頃から激しい中枢神経系の症状で注目されるようになり、現在に至っても様々な局面において未解決の状態です。水俣病患者として認定されていない人も含め、被害者の数は数万をくだりませんが、その実態は国の調査拒否によっていまだに明らかにされていません。

私たち自身、家族そして周辺の人々も少なからぬ水俣病被害を受けました。その経験から、農薬によりさらに自分たちの健康を害したり、消費者に農薬被害をもたらすことをできるだけ避けようと、「水俣病被害者が加害者にならない」という目標を掲げて、農薬を減らした柑橘栽培を摸索、実践してきました。

会の始まりは1977年にまでさかのぼります。「生産者グループきばる」として出発したのは1990年からです。農薬の散布限度や施肥の内容、出荷時の外皮基準などを会で定め、何か課題が生じれば生産者どうしで話し合いながらこれに臨んでいます。

甘夏みかんは皮が剥きづらく、酸味も多く含むため、現在の柑橘市場において主流となることは(おそらく)ありません。ですが、甘いだけがみかんじゃない。酸味や苦みがあるからこそ、味わいの幅も広がります。

マーマレードやピールなどに皮まで安心してまるごと使える、甘夏みかんという果物を、私たちはつくり続けていきたいと思います。その甘夏みかん栽培が生まれた背景ときばるの掲げる志、決して短くはない歴史の中で培われてきたものを、次世代のその先まで伝えていきたいと思っています。

後継者問題や気候変動に対応する栽培法の工夫など、課題は山積し、険しい道のりではありますが、これが私たちの生きる現場であり、また楽しみでもあるのです。これからも生産者一同、協力して歩んでまいります。



所在地
熊本県水俣市袋1-39

主な生産品
かんきつ類

提携商品
甘夏みかん、しらぬい(でこぽん)